VIVA! HIGH-MATSU ! (カミホロ化物岩左/右ルート)
2022年 12月 01日
「なぜ山に登るのか。そこにハイマツが有るからだ」
かのイギリスの登山家、ジョージ・マロリーは言いました。

ハイマツは時に沢の源頭でバリケードの様に、
また時に春山のシートラで雪下のトラップとなり行く手を阻みます
そう、ハイマツは我々にそんな試練を与えてくれる
素晴らしい存在なのです。
てな訳で雪の便りに居ても立っても居られなくなった
北大店のSジュ・白石店のIズミ・Kミヤマの3人は、
ハイマツ漕ぎのヒィヒィハァハァを求めて
初冬のカミホロへ行って来ました。
並ぶと遠近感の狂いそうなサイズ感の二人
その先に、我々の目指す目的地が…!

しかし、其処へ行くには岩を登らなきゃならない…面倒だなぁ

仕方ないので”化物岩・左ルート”に取り付く。
[1P目:トップ/Kミヤマ]

雪が少なくてほぼドライツーリング。
氷の張ったクラックにキャメ#0.5と#0.75の
ビミョーなプロテクションを取り
チョックストーンを乗越して露岩にスリングをタイオフしてビレイ。
季節外れの暖気のお陰でアプローチで汗をかいたが、
それでもフォローをビレイする間
DASパーカを着なくても平気な程暖かい。

[2P目:ほぼコンテ]
平らな雪稜を歩く。下でお茶をガブ飲みした所為か?
黄色い雪を其処ら辺に作ってしまう。

[3P目:トップ/Kミヤマ]

今回はビレイアンカーからそのまま浅い凹角の“右ルート”に入る。
ゼロピンを取ってから中々プロテクションが取れず、
ジリジリとランナウト。
山谷には“所々に残置がある”って書いてたのに…
探すの下手なのかなぁ?

落ちる気はしないものの、
流石にちょっと気持ち悪いランナウトになって来た所で
ボロハーケンを見つけクリップ。
「でもコレは落ちたら抜けるだろうな」と思いつつ、
仕方ないので先へ進む。
徐々に雪壁になってくるが、
グサグサでアックスの決まりも悪い。
何とか凍土を掘り出し、
イボイボがバチ効きしてくれたので漸くホッとした。
ここで一瞬ガスが開けて冬のカミホロが姿を見せてくれた。

VIVA! KAMIHORO VIEW!
壁の傾斜が緩くなって来くると、
目先には遂に念願のハイマツの姿が!!
「あそこまで行ってビレイしよう」…と思ったが、ロープ一杯。
仕方なく雪を掘り返して支点になりそうな物を探すが、
中々良いのが無い。
結局凍土にワードホッグで支点を作ったが、
この時期は凍土も硬さがまちまちなので、
バチ効きの所を探すのに少々手間取ってしまった。

[4P目/トップ:Iズミ]
此処まで来ると後は斜度のない雪稜を登るだけ。
目的のハイマツが近い所為か、
この世の生き物とは思えない猛スピードで、
四つん這いのIズミが駆け上がって行った。
うぉぉぉぉぉぉ!!
そして遂に念願のハイマツ地帯到着!
今回、我々は時短を狙って幾つかの進み方を検証してみました。
.
.
.
(1) 忍者型:右足が沈む前に左足を…というアレです

・長所:下山が少し早いかもしれない
・短所:埋まったら足首を捻りそうだ
(2)ベリーロール型:歩かず転がる

・長所:下山が少し早いかもしれない
・短所:目が回って吐きそうになるよ
■結論■
どちらもオススメしません。
(怪我しない様に安全確実に下って下さい)
下山後は旭川市内の“いちりん亭”で
身体に優しく美味しいご飯に舌鼓。

思い出って不思議と辛い場面の方が記憶に残るものですよね。
初冬ならではの状況判断も勉強になった山行となりました。
以上、社内では比較的マイノリティ、
クライミング好きスタッフ達の珍道中でした。
…と言う訳で今回の1曲は[UFO:Loud Minority]
(長文に最後までお付き合い頂きありがとうございました)
文責 白石店:Kミヤマ