こんにちは白石店登山売場の小山田です。忙しかったゴールデンウイークも終わり、いよいよパキスタン遠征が近づいてきました!!
今回、目指す頂はパキスタンの北部カラコルム地方にある
スパンティーク峰(Spantik)と言う山で標高は7027mとなります。
地元の人々からは美しい山容で朝日を浴びて輝く姿から
『ゴールデン・ピーク』とも呼ばれています。
2009年にこの山の北面の壁にあるルートを登り切った
日本人クライマーがピオレドール賞とういう
登山界で最も名誉ある賞を受賞したことでも有名です。
僕らが登るルートは初登ルートで
比較的容易な南東稜ルートです。
今回の遠征は来年のK2に向けたプレ山行であり、
高所経験を積むことが最大の目標です。
ちになみに、みなさん、パキスタンってどこにあるかわかりますか?
インドの左上のあたり、と言えばわかりやすいでしょうか。
インド、ネパール、イランなどと国境を接し、
人口およそ2億人で世界第6位。日本での正式表記はパキスタン・イスラム共和国、通称『パキスタン』です。周辺の国と同様に多くの言語や民族がいる多民族国家です。イスラム圏の国に行くこと自体僕は初めてなのでそれだけでもとても楽しみです。
そんなパキスタンの北部は
ヒマラヤ山脈やヒンズークシュ山脈などがある世界でも有数の山岳地帯です。
そんな中にあるスパンティークとK2ですが、
直線距離でおおよそ140km離れており、
スパンティークの頂上からは晴れて条件が良ければ
K2を見ることが出来るんです!
僕らは
5月27日に成田から出国し、タイ・バンコク経由でパキスタンの首都イスラマバードへ到着します。イスラマバードに到着後すぐに
スカルドゥという街に向かい、ここで登山準備をします。
日本からあらかじめ送った荷物を受け取り、
ポーターやガスカードリッジ、
登山許可証の手配などのコーディネートをしてくれる
現地エージェントと打ち合わせ、
そして最終の買い出しなどを行います。
そしてアランドゥという小さな村へと移動し、
ここからキャラバンを開始します。
3日間ほどのキャラバンで
4300mほどまでゆっくりと登り、
そこにベースキャンプ(BC:4360m)を作ります。
そしてこのBCから20日間ほどの登山期間で
登頂を目指す、
と言うのが今回のざっくりとした計画です。
こちらはパキスタン入国に必要なビザです。
オンライン申請してから
3か月以上かかってようやく隊員全員分が発給されました。
以前は郵送で申請して東京のパキスタン大使館で受け取るなどだったようですが、
今はすべてオンライン申請。
楽になったという事みたいですが、正直かなり面倒だし、
1か月程度で出ると申請のHPにはありましたが、相当かかりました・・・
遠征メンバーは
登山隊員6名+ベースマネージャー1名の7名です。
上の写真は、GW中に芦別岳本谷でトレーニングする隊員です。
隊員は僕が所属する山岳会の仲間であり、
この遠征計画の前からともに山を登ったりしていたメンバーです。
またベースマネージャーには
白石店ウエア売り場の宮崎さんに
加わってもらいました。
宮崎さんは同じ山岳会に入っているという事もありますし、英語が堪能なので
現地でのエージェントとの交渉の中心となってもらう他、
ベースキャンプでは隊装備の管理、
登山隊員との無線連絡や緊急時には
ヘリなどの救助要請や日本との連絡など
多くのいわば、雑務を担ってもらいます。
ここ最近は山でのトレーニングに加えて、
低酸素トレーニングです。
海外の高所登山を行う際には高所順応のために
出発前に富士山に登ったりもするのですが、
北海道からは遠く、時間もお金もかかる・・・。
なので僕らは士別市にある低酸素室に行っているのです!
ここでは富士山と同じ程度の酸素環境に設定して頂き、
ザックを背負ってトレーニングしたり、
最大酸素摂取量などの測定もさせて頂いています。
トレーナーのスタッフも大変詳しく
士別に行くたびに
トレーニングやコンディションについて多くのアドバイスを頂いてます。
と言うわけで出発まで3週間をきり
毎日ソワソワしているところです。
僕自身こういった遠征隊の隊長というのは
初めてではありませんが、今回のような大きな遠征は初めてです。
正直、不安な事だらけです。
右も左も分からず、準備していることが間違っているんじゃないか
と思うこともしょっちゅうです。
それでも幸いに応援してくれる方や
アドバイスをしてくれる多くの方がいて
ここまで進めることが出来ています。
周りの方々の理解や支えがなかったらここまですらたどり着けなかったと思います。
出発まで数週間、気持ちを落ち着かせる意味を含めて
このブログで何回かに分けで
遠征で使う装備などを少し紹介していきたいと思います。
よろしくお願いいたします!