人気ブログランキング | 話題のタグを見る

秀岳荘スタッフみんなでブログしちゃいます。


by shugakuso4
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②

こんにちは、白石店登山売場の小山田です。
遅くなりましたが、
スパンティーク遠征に報告②です。
今回も、長いです・・・。
①を読んでない方は↓こちらを読んでからどうぞ!


スパンティーク峰(7027m)遠征報告① : 秀岳荘みんなのブログ!! (exblog.jp)


2024年5月30日・・・・・スカルドゥ→アランドゥ

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10255561.jpg

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10262916.jpg

この日はスカルドゥからキャラバンの開始地点となる
アランドゥという村まで車での移動です。
車5台でメンバー7人は2台のジープとランドクルーザーに分かれ、
残りの3台のジープには荷物が詰め込まれました。
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10343035.jpg

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10345516.jpg

 しばらくは舗装道路で快適なドライブ。
ガンジス川の支流であるシガール川沿いの道を進みます。
荒涼とした大地、険しい山々、雄大な大河、
改めて日本から遠い国に来たことを感じます。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10440628.png
スカルドゥ、アランドゥ、スパンティークの
位置関係はこのようになります。
アランドゥまでの道のりは途中まで
K2の玄関口となるアスコーレと言う村まで同じとなります。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10482691.jpg
 ランチで立ち寄ったチュトロンと言う集落を過ぎると
悪路が続きます。
崖の斜面につけられた細い道、
その下は転がったら谷底まで落ちていきそうな断崖・・・。
運転手の度胸と運転技術に運命を委ねます。
前日から体調を崩しているN副隊長はただただ辛そうでした。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_10463300.jpg
車に揺られること7時間ほどで村から
1時間弱ほどのこのキャンプ場に到着。
アランドゥはとても小さな村で遠征隊が泊まれるような宿はないので、
ここでテント泊です。
これから長く始まるテント生活の初日となりました。
黄色のテントが僕らが一人一人使うテントとなります。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_11365007.jpg
こちらはキッチンテント。
ここでスタッフが美味しい食事を作ってくれます。
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_11520421.jpg
こちらはメステントと呼ばれる食堂のテント。
食事以外のミーティングなどメンバーのコミュニケーションスペースでもありました。
初日の夜からお腹いっぱいとなるご飯でした。

2024年5月31日・・・・アランドゥ

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_11543042.jpg
夜からしとしとと降り続いた雨は朝までやむ事がなく、
N副隊長の体調も芳しくないことからこの日は休養日とすることに。
結局雨は朝ごはん食べ終えたことから止んで、
アランドゥ村へ散歩しに行くことに。
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_11550249.jpg
キャンプ地から1時間ほど。
山に囲まれた谷の中にある自然豊かな小さい村です。
村人は牛や羊などの家畜を飼い、
麦やイモなどを植えて育てて自給自足近い生活をしているようです。
風の谷のナウシカに出てくるようなそんな村でした。
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_12092012.jpg
村の子供たちが通う学校や
明日から一緒に歩くポーターの家に招待してもらい、
パキスタンの山岳地帯に暮らす
人々の生活を見ることが出来た貴重一日でした。


2024年6月1日・・・・アランドゥ→マンフクル
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_15405444.jpg

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_15422129.jpg
目が覚めるとテントの外が何やら騒がしい・・・。
何事かと思うと、
村の男達がポーターとして雇われるためにどんどんと集まってきていました。
 あわただしく朝ごはんを食べ終えると出発の準備です。
集まった男たちの中にはポーター頭と言うリーダー役がおり、
彼らとATPのスタッフが
僕らの荷物、テントやBCで使う資機材、大量の食糧を
ザックや樽、木箱などに詰め込んで仕分けしていきます。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_15495100.jpg

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_15501601.jpg
ポーターが背負う荷物は1人25キロと決まっており、
荷物が振り分けらたポーターは順次出発。
彼らは当然歩くのが早く、
僕らよりも常に先にキャンプについてテントを立てたり、
食事の準備をしてくれていました。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_15525616.jpg

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07453131.jpg
僕らもいよいよ出発!!
スパンティークのBCを目指す三日間のキャラバンがはじまりました。
アランドゥを通り過ぎ、その奥に伸びていく
谷の左岸沿いにつけられた道を歩きます。
1時間ほどで右手に広がる谷間は
氷河が埋め尽くされてしまいました。
この氷河はチョゴルマン氷河と呼ばれ、
この奥にスパンティークがあります。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07574171.jpg
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08031938.jpg
ポーター達。遠征にポーターの存在は欠かせません。
彼らが僕らの荷物を背負ってくれるから、
僕らはBCまで体力を温存して歩くことが出来るのです。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08051200.jpg
ポーターとロバたち。
ロバたちもまた遠征に欠かすことができません。


スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08133812.jpg
雪を纏った高峰が谷の奥に聳えています。
思わず足を止めてしまう景色がずっと続きます。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08112045.jpg
初日のキャンプ地、マンフクルに到着。
既に先に到着したポーター達がテントを張ってくれていました。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07455619.jpg
ここはカルカと言われる放牧に使われる岩小屋があり、
夏の間だけアランドゥの村人がヤクや牛、
ヒツジなどを放牧するために暮らしているようです。
ポーター達とお茶を飲んだり、キャンプ地の周りを散歩したり、
メンバー全員、少し興奮気味のキャラバン初日でした。
 7:40アランドゥ(2770m)→13:40マンフクル(3000m)



2024年6月2日・・・・・マンフクル→ボロチョ
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07542788.jpg
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07523124.jpg
キャンプ二日目は少し長い行程です。
アップダウンは少ないのですが
標高も3500mを越えるので
ゆっくりと呼吸を整えながら歩くことを意識します。
牛や羊が草を食み昼寝するどこか
のんびりとした風景を眺めなら歩きます。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08015724.jpg
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08024582.jpg
対岸には氷河を隔てて
雪と氷に覆われた峰々が連なっています。
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08042117.jpg
遥か先に目指すスパンティークの
南東稜リッジが見えてきました。
まだまだ遠いです・・・

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08094843.jpg
少しずつ近づくスパンティーク。
次第に道はアップダウンがきつくなるうえに
急斜面のトラバースの箇所も数か所あり
予定よりもかなり時間がかかりました。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08180550.jpg
キャラバン二日目のキャンプ地には
8時間半ほどかかって15時過ぎに到着しました。
ここも本当にいいところでした~。
標高は3800mを越え
かなりゆっくり歩いたつもりですが、
少し体調が優れないメンバーも出てきました。
夕飯まで短い時間でしたが
テントの中にいるのが勿体なく
キャンプ地の周りを歩き、写真を撮り
テントの外でゆっくりと景色を見て過ごしました。
13:40マンフルク(3000m)→ 15:30ボロチョ(3850m)


2024年6月3日・・・・ボロチョ→BC
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08054597.jpg
キャラバン最終日です。
朝日を浴びた山々が眩しいです。
いつもより早い5時に出発。
今日もゆっくり歩くことを心がけます。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08080233.jpg
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08090435.jpg
左岸の山沿いの道から谷に降り立ち、
ここからは氷河上を歩いていきます。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08174050.jpg
スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08154977.jpg
氷河上から見る景色も
やはり素晴らしく迫力があります。
登りたくなるような山がたくさん目の前に出てきます。
氷河上はクレバスは大きなものはありませんでしたが、
それよりも紫外線がきつく、サングラスが欠かせません。

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07432097.jpg
今回僕が遠征で使ったサングラスは
Julbo(ジュルボ)の「ULTIMATE COVER」
フィット感が良かったことはもちろんですが、
ノーズガードとサイドシールドが取り外し可能で
調光レンズなのでどんな天候の時にでも使えてとても気に入りました。
ULTIMATE COVER (Reactiv 2►4) [J5473632] @ Julbo ジュルボ | ミヤコ・スポーツ株式会社 (miyakosports.co.jp)

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08271663.jpg
11時くらいには早くもBCから戻ってきた
ポーター達とすれ違いました。
彼らはBCまで荷物を担ぎ上げるのが仕事なのでここでお別れです。
早いポーターはこの日のうちにアランドゥまで
戻るようです。
一緒に歩いているATPのスタッフは
あと2時間くらいと言いますが、
ここからが長かった・・・。
パキスタン人の「あと〇〇時間」と言うのは
全くあてになりません。
歩くのが早い彼らの基準で言っているので・・・

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_08223152.jpg
ようやく南東稜の末端にたどり着き、
急な斜面に取り付きます。
そんなに重い荷物は持っていないのに、
標高は4000mを越えたせいなのか体が重くて息が苦しい・・・と後ろを見ると、
僕だけではなくみんなその様子。
がんばれ~

スパンティーク峰(7027m)遠征報告②_d0198793_07213150.jpg
やっとたどり着いたベースキャンプ!
眼下には氷河が広がり、
最高の景色!!
尾根の途中の斜面ですが、
段々になっているのでテントやメステント内は
もちろん平らです。
ここが20日間程度続く登山活動の拠点となります。
今季のスパンティークは
入山しているパーティはこの時点で僕らだけ。
ポーターやスタッフが立ててくれたテントに
感謝しながら入り、
この日はゆっくりとしました。
5:00ボロチョ(3850m)→15:30スパンティークBC(4300m)

次回に続きます!!


by shugakuso4 | 2024-08-05 08:45 | 白石店 登山