こんにちは、白石店登山売場の小山田です。遅くなりましたが、スパンティーク遠征に報告②です。今回も、長いです・・・。①を読んでない方は↓こちらを読んでからどうぞ!
スパンティーク峰(7027m)遠征報告① : 秀岳荘みんなのブログ!! (exblog.jp)
2024年5月30日・・・・・スカルドゥ→アランドゥ
この日はスカルドゥからキャラバンの開始地点となる
アランドゥという村まで車での移動です。
車5台でメンバー7人は2台のジープとランドクルーザーに分かれ、
残りの3台のジープには荷物が詰め込まれました。
しばらくは舗装道路で快適なドライブ。
ガンジス川の支流であるシガール川沿いの道を進みます。
荒涼とした大地、険しい山々、雄大な大河、
改めて日本から遠い国に来たことを感じます。
スカルドゥ、アランドゥ、スパンティークの
位置関係はこのようになります。
アランドゥまでの道のりは途中まで
K2の玄関口となるアスコーレと言う村まで同じとなります。
ランチで立ち寄ったチュトロンと言う集落を過ぎると
悪路が続きます。
崖の斜面につけられた細い道、
その下は転がったら谷底まで落ちていきそうな断崖・・・。
運転手の度胸と運転技術に運命を委ねます。
前日から体調を崩しているN副隊長はただただ辛そうでした。
車に揺られること7時間ほどで村から
1時間弱ほどのこのキャンプ場に到着。
アランドゥはとても小さな村で遠征隊が泊まれるような宿はないので、
ここでテント泊です。
これから長く始まるテント生活の初日となりました。
黄色のテントが僕らが一人一人使うテントとなります。
こちらはキッチンテント。
ここでスタッフが美味しい食事を作ってくれます。
こちらはメステントと呼ばれる食堂のテント。
食事以外のミーティングなどメンバーのコミュニケーションスペースでもありました。
初日の夜からお腹いっぱいとなるご飯でした。
2024年5月31日・・・・アランドゥ
夜からしとしとと降り続いた雨は朝までやむ事がなく、
N副隊長の体調も芳しくないことからこの日は休養日とすることに。
結局雨は朝ごはん食べ終えたことから止んで、
アランドゥ村へ散歩しに行くことに。
キャンプ地から1時間ほど。
山に囲まれた谷の中にある自然豊かな小さい村です。
村人は牛や羊などの家畜を飼い、
麦やイモなどを植えて育てて自給自足近い生活をしているようです。
風の谷のナウシカに出てくるようなそんな村でした。
村の子供たちが通う学校や明日から一緒に歩くポーターの家に招待してもらい、パキスタンの山岳地帯に暮らす人々の生活を見ることが出来た貴重一日でした。
2024年6月1日・・・・アランドゥ→マンフクル
目が覚めるとテントの外が何やら騒がしい・・・。
何事かと思うと、
村の男達がポーターとして雇われるためにどんどんと集まってきていました。
あわただしく朝ごはんを食べ終えると出発の準備です。
集まった男たちの中にはポーター頭と言うリーダー役がおり、
彼らとATPのスタッフが
僕らの荷物、テントやBCで使う資機材、大量の食糧を
ザックや樽、木箱などに詰め込んで仕分けしていきます。
ポーターが背負う荷物は1人25キロと決まっており、
荷物が振り分けらたポーターは順次出発。
彼らは当然歩くのが早く、
僕らよりも常に先にキャンプについてテントを立てたり、
食事の準備をしてくれていました。
僕らもいよいよ出発!!スパンティークのBCを目指す三日間のキャラバンがはじまりました。
アランドゥを通り過ぎ、その奥に伸びていく
谷の左岸沿いにつけられた道を歩きます。
1時間ほどで右手に広がる谷間は
氷河が埋め尽くされてしまいました。
この氷河はチョゴルマン氷河と呼ばれ、
この奥にスパンティークがあります。
ポーター達。遠征にポーターの存在は欠かせません。彼らが僕らの荷物を背負ってくれるから、僕らはBCまで体力を温存して歩くことが出来るのです。
ポーターとロバたち。
ロバたちもまた遠征に欠かすことができません。
雪を纏った高峰が谷の奥に聳えています。
思わず足を止めてしまう景色がずっと続きます。
初日のキャンプ地、マンフクルに到着。
既に先に到着したポーター達がテントを張ってくれていました。
ここはカルカと言われる放牧に使われる岩小屋があり、 夏の間だけアランドゥの村人がヤクや牛、
ヒツジなどを放牧するために暮らしているようです。
ポーター達とお茶を飲んだり、キャンプ地の周りを散歩したり、
メンバー全員、少し興奮気味のキャラバン初日でした。
7:40アランドゥ(2770m)→13:40マンフクル(3000m)
2024年6月2日・・・・・マンフクル→ボロチョ
キャンプ二日目は少し長い行程です。アップダウンは少ないのですが標高も3500mを越えるのでゆっくりと呼吸を整えながら歩くことを意識します。牛や羊が草を食み昼寝するどこかのんびりとした風景を眺めなら歩きます。
対岸には氷河を隔てて雪と氷に覆われた峰々が連なっています。遥か先に目指すスパンティークの南東稜リッジが見えてきました。まだまだ遠いです・・・
少しずつ近づくスパンティーク。次第に道はアップダウンがきつくなるうえに急斜面のトラバースの箇所も数か所あり予定よりもかなり時間がかかりました。
キャラバン二日目のキャンプ地には8時間半ほどかかって15時過ぎに到着しました。ここも本当にいいところでした~。標高は3800mを越えかなりゆっくり歩いたつもりですが、少し体調が優れないメンバーも出てきました。夕飯まで短い時間でしたがテントの中にいるのが勿体なくキャンプ地の周りを歩き、写真を撮りテントの外でゆっくりと景色を見て過ごしました。13:40マンフルク(3000m)→ 15:30ボロチョ(3850m)
2024年6月3日・・・・ボロチョ→BCキャラバン最終日です。朝日を浴びた山々が眩しいです。いつもより早い5時に出発。今日もゆっくり歩くことを心がけます。
左岸の山沿いの道から谷に降り立ち、ここからは氷河上を歩いていきます。
氷河上から見る景色もやはり素晴らしく迫力があります。登りたくなるような山がたくさん目の前に出てきます。氷河上はクレバスは大きなものはありませんでしたが、それよりも紫外線がきつく、サングラスが欠かせません。
今回僕が遠征で使ったサングラスはJulbo(ジュルボ)の「ULTIMATE COVER」フィット感が良かったことはもちろんですが、ノーズガードとサイドシールドが取り外し可能で調光レンズなのでどんな天候の時にでも使えてとても気に入りました。ULTIMATE COVER (Reactiv 2►4) [J5473632] @ Julbo ジュルボ | ミヤコ・スポーツ株式会社 (miyakosports.co.jp)
11時くらいには早くもBCから戻ってきたポーター達とすれ違いました。彼らはBCまで荷物を担ぎ上げるのが仕事なのでここでお別れです。早いポーターはこの日のうちにアランドゥまで戻るようです。一緒に歩いているATPのスタッフはあと2時間くらいと言いますが、ここからが長かった・・・。パキスタン人の「あと〇〇時間」と言うのは全くあてになりません。歩くのが早い彼らの基準で言っているので・・・
ようやく南東稜の末端にたどり着き、急な斜面に取り付きます。そんなに重い荷物は持っていないのに、標高は4000mを越えたせいなのか体が重くて息が苦しい・・・と後ろを見ると、僕だけではなくみんなその様子。がんばれ~
やっとたどり着いたベースキャンプ!眼下には氷河が広がり、最高の景色!!尾根の途中の斜面ですが、
段々になっているのでテントやメステント内はもちろん平らです。ここが20日間程度続く登山活動の拠点となります。今季のスパンティークは入山しているパーティはこの時点で僕らだけ。ポーターやスタッフが立ててくれたテントに感謝しながら入り、この日はゆっくりとしました。5:00ボロチョ(3850m)→15:30スパンティークBC(4300m)
次回に続きます!!