青森県八戸から福島県の相馬市まで続く
約1000キロのロングトレイル
『みちのく潮風トレイル』
昨年は八戸から岩手県の久慈市まで
南下して約100キロを歩きましたが、
今回はその続きに挑戦。
今回も苫小牧発の夜行フェリーに乗って
八戸、そこからJRに乗って久慈に。
お昼ごろに到着、軽く腹ごしらえをして
トレイルに合流します。
まずは北限の海女、小袖海女センターに
向かって海岸沿いを歩きます。
前回は11月だったので涼しくて
歩きやすかったのですが、
今回は9月。
30℃を超える猛暑で
日傘必須の厳しい道のりです。
リアス式海岸ならではの
奇岩が点在して飽きません。
小袖海女センターに到着。
ドラマのあまちゃんのモデルで
ロケ地ともなった、
北限の海女さん達の集会所で
売店も併設されています。
せっかくなので売店で晩御飯用の
ウニ飯を持ち帰りで購入。
海女でもある店員さんにトレイルを
歩いていることを話していたら、
これも食べてから行きなと、
漬物に味噌汁、ケーキ、フルーツゼリー、
さらに食後のアイスコーヒーと
お土産の梨のゼリーまで、
沢山のトレイルマジック
(ハイカーへの施し)をいただきました。
暑さにバテていたのでとても助かりました。
ありがとうございます!
ここからは山道を歩きます。
細かなアップダウンが続いて体力が削られます。
これのどこがトレイル?ってぐらいの酷道。
草木をかき分けて歩きます。
よじ登ることも迂回することも出来ない巨木が道を塞いでます。
初めて山でホフク前進をしました。
それもそのはず、歩いた人のカウンターを見るとたったの3人。
ヘトヘトになりながら山を降りて海に。
ご褒美のようなとても綺麗な景色。
そろそろ寝床を探さないとなあと
思いながら海沿いを歩いていると、
ワンちゃんを乗せた軽トラのおじさんが
僕の横で停車。
「この辺りにテント張れるところないですかね?」と聞いてみたら、
「連れて行くから乗っていけ」
と軽トラに乗車することに。
内心は歩きたかったけど、
親切を断るのもなあと思いながら
おじさんとの会話と車はどんどん進みます。
あっという間に1日目の計画では辿り着けない
数キロ先のキャンプ場が近くにある温泉施設に到着。
おじさんとワンちゃんとはそこでお別れし、まずは温泉で汚れと疲れを流します。
入浴後、日が落ちた中を小一時間歩いて
玉川野営場に到着。
さっさとタープを張って晩御飯に。
ゆっくりと食事とお酒でも
と考えていましたが、
さすが本州の9月、
蚊などの虫が凄くてそれどころじゃない。
ウニご飯をかき込んで蚊帳付きのビビィに潜り込んで就寝。
1日目終了。
2日目
この日も快晴で午前中からぐんぐん気温が上がります。
昨日の寝床。
タープやテントが張れないような環境でも寝れるように
OR Helium Bivyをチョイス。
決して軽くは無いのですが寝袋を省くことでトータルで軽量化。
野営場内の東屋で朝食。
トイレも綺麗に整備されています。
海岸沿いを歩き始め
またすぐに林道に。
直前に交通整理の方から熊を
目撃したとの情報。
いかにもな場所で気が引き締まります。
まだ午前中ですが30℃超え。
今日も林道以外は日傘必須です。
昨晩の温泉施設に戻ってきました。
宿泊も出来ますが昨日は空き無しでした。
しばらくロード
震災を思い起こさせるものが徐々に増えてきます。
また林道
昨日よりも道が荒れていて
心が折れそうに。
道間違えではありません。
掻き分けて進みます。
なんとか林道を抜けましたが
足が草木で傷つき、かぶれて酷い状態。
猛暑で短パンを選んだのが失敗。
途中で帰ることを本気で考え始めました。
街に入りました。食堂で昼ご飯、
商店で食料補給、アイスなど甘いものを沢山食べてやる気を奮い起こします。
海岸沿いの坂道を登り山頂付近にある
今夜の宿泊地、キャンプ場併設の
国民宿舎くろさき荘へ向かいます
ここで軽バンが目の前で停車。
行き先を聞かれ伝えると、
「同じところに向かうから乗っていけ」
とのことでまた乗車することに
『また車に乗せてもらってしまった・・・
これってトレイルをちゃんと歩いたことになるのかなあ?』と不安になるも
『親切を断るのは失礼、これぞ旅の醍醐味』と自分に言い聞かせます
途中でおじさんお気に入りの
絶景スポットを案内してもらいました
宮沢賢治も愛した場所とのこと
おじさんとの会話を少し楽しんで
お別れしました。
ありがとうございました。
前日に乗せてもらった人もでしたが、
ハイカーを何回か乗せたことがあると話されていました。
「みちのく潮風トレイル」
が地元の方にも認知され、
快くサポートしてくださる方が沢山いる
とても素晴らしい環境だと思いました。
乗せてもらったので予定より
2時間ぐらい早く宿泊地に到着。
キャンプ場にするか宿に泊まるかで
少し悩みましたが、
痛みから痒みに変わってきた
足が辛いので宿を選択。
飛び込みだったので素泊まりですが、
オーシャンビュー、温泉ありで6000円
温泉で足を綺麗にして薬を塗って、
ビール飲みながらテレビ観て
布団でゴロゴロ。
快適すぎる
テレビで知りましたが
この日の岩手は観測史上の暑さで
36℃だったよう
そりゃバテます。
2日目終了
3日目
この日は曇り。
景色は期待できませんが
気温が低くて有難い。
今までとは違いとても綺麗に
整備されたトレイルを歩きます。
3時間ほど歩いて北山崎の展望所に到着
ここにはビジターセンターや食堂、
売店などがあり
観光客の方もちらほら。
展望所からの眺め、まさに絶景
展望所から先は階段地獄が随所に
この区間が一番辛かった
やっとロードに出ました。
ほっとしたその時
ガードレール脇の茂みの方からガサガサと音が
その方向を見ると
熊!!!!
幸い僕よりも先に気づいていて、
僕が観た時には
お尻を向けて茂みの方に逃げて行きました。
あまりにも突然の出来事で怖いという気持ちは湧きませんでしたが、
後から考えると距離にして
3、4メートルぐらいの所で遭遇、
事故が起きてもおかしくない状況。
入山時はもちろんですが、
気のゆるむ下山時も注意が必要ですね。
すぐにトレイルは砂浜に
ここで強烈で異様な匂い
目前に巨大な黒い物体
最初は全くわかりませんでしたが
よく見るとなんと
クジラ!!!!!
陸に打ち上げられた鯨の亡骸です。
さすがにこれにはびっくり。
熊に鯨、展開が大味すぎます
後でネットで検索したら
ちゃんとしたニュース記事にもなっていて、
8月の台風で打ち上げられたようです
鯨の前を通り過ぎると今度はなんと洞窟!!
映画などでよくコウモリが大量に出てくるような雰囲気。
さっきの鯨もしかり
ここへ来てまさかのホラー展開。
もちろんヘッドライト必須で中へ進みます。
ヘッドライトで足元しか見えない暗闇、
おそらく5分ぐらいの距離ですが、
とても長く感じました。
さっきの熊が出てきたら終わりだなあとか、
最悪の事態を色々想像しながら歩きました。
やっと出ました。
とてもトレイルとは思えない
大きな岩と打ち付ける波
しかも先にはまた洞窟が見えます
こんな所を歩かせる
「みちのく潮風トレイル」
恐ろしすぎる、だが面白い!
さっきよりも長い洞窟を抜け、
ハシゴで岩を登って
小さな集落にでます。
休憩所とトイレがあるので
少し休みます。
しばらく海岸沿いの
ロード歩きが続きます。
真ん中に見えるのは震災公園で
破壊された堤防の残骸
そろそろ今回のセクションハイクは終了
三陸鉄道の田之畑駅に向かいます。
田之畑駅に着いたのですが、
乗車までに1時間半ぐらい時間があったので
一つ先の島越駅まで歩いて終了。
三陸鉄道に乗って久慈まで戻り、
JRで八戸、最終のフェリーで
苫小牧に戻りました。
今回はいろんな出来事が多くて
とても印象深いトレイル歩きになりました。
予想外のことが起きるのも
ロングトレイルの醍醐味。
3日間で約80キロ、
前回と合わせて6日間で200キロ弱、
まだ5分の1といったところです。
今後スタート地点がどんどん遠くなり、
歩ける時間が少なくなるので
もう少しまとまった日数が
必要かもしれません。
気長に全線踏破を目指したいと思います。
長文ご覧いただきありがとうございした。
白石店ウェア売り場 小林